mayumi voice
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声は言葉より重要?コミュニケーションにおける声の影響力について

声 影響

誰かが話すのを聞いて、「声を聞くと安心する」「あの人の声には説得力がある」などと感じた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。私たちは普段なにげなく様々な人と接していますが、どのような情報によって相手のことを判断しているのでしょう。今回は、人とのコミュニケーションにおける声の影響力について説明します。

ねこ

声って、コミュニケーションにどれくらい関係するのかな?

「なにを伝えるか」より「どのように伝えるか」がコミュニケーションに影響する

声 影響

コミュニケーションの際、人が相手のどのようなところに影響を受けているのかについて、おもしろい研究結果があります。

かえるコーチ

ここでは「メラビアンの法則」について説明するよ

メラビアンの法則とは

人と人がコミュニケーションを図る際、相手から影響を受けとっている情報は、非言語コミュニケーションから得るものが93%という心理学上の法則。1971年にカリフォルニア大学の心理学名誉教授だったアルバート・メラビアンという心理学者によって報告されました。

非言語コミュニケーションとは、言語を使わないコミュニケーションのこと。たとえば、相手の声のトーン、表情や仕草、服装、雰囲気などです。つまり、人は相手の言葉そのものからあまり情報を受け取っていないということになりますね。

7-38-55ルール

メラビアンの法則は別名「7-38-55ルール」といわれています。メラビアンは、人が他人とコミュニケーションを図る際に、言語そのものが持つ情報・聴覚から得られる情報・視覚から得られる情報のうち、どれがどの程度影響を与えるかを実験して法則を導き出しました。

「7-38-55ルール」は、言語・聴覚・視覚の割合を示したものです。

〈人がコミュニケーションにおいて重視する情報の割合〉

  1. 言語情報(VERBAL)…   7%
  2. 聴覚情報(VOCAL) …  38%
  3. 視覚情報(VISUAL) …  55%

声 影響
かえるコーチ

人は話している内容よりも、表情や仕草、声の質や大きさに影響を受けることがわかるね

コミュニケーションの場で伝える力を高めるには?

声 影響

ここでは、伝える力を高めるポイントを紹介します。

3Vの一致で説得力を高める

説得力を高めるには、言語(VERBAL)・聴覚(VOCAL)・視覚(VISUAL)の3つの情報を一致させ、伝える相手に矛盾を感じさせないことが重要だといわれています。

メラビアンの研究内容は「コミュニケーションの際、伝えている言語とその言語を伝える声の感じや態度に矛盾があった場合、人はどのように受け止めるか?」というもの。

その結果は前述した通りで、非言語コミュニケーションから得る情報の方が、言葉より人に強い影響を与えるというものでした。

これによって、人が何か相手に伝えたいときに発する言葉が、表情や見た目や声にそぐわなければ、話している内容は伝わりにくくなりますし、逆にいえば、3つのVを揃えることでより相手に思いが伝わることがわかりました。

話す言葉や内容の準備にパワーを使いがちですが、伝える力を高めるには、無意識レベルで伝わる声や表情などを工夫すると効果的だと証明されています。

ねこ

ぼくたちは鳴き声や雰囲気で気持ちが伝わるものね(笑)      

声で相手に与える印象を変える

無意識に受ける印象の多くは、声によるものではないかといわれています。「話してる内容がなんとなく伝わってこない…」という「なんとなく」は感覚的なものですよね。

同じ内容を伝える場合でも、感情を込めた声で真剣な調子で話されるのと、いい加減な感じの声色で浮ついた口調で話されるのでは、相手の受け取り方は大きく違います。逆に、話している内容はなくても、声や雰囲気で思いが伝わるケースも。

このようなことからも、伝えたい内容に合わせて声のトーンや緩急に気をつければ、ぐっと伝えたいことが伝わりやすくなるといえます。また、声そのものをよくすれば、コミュニケーション能力の底力がアップします。

コミュニケーションにおける声の役割は重要!

声 影響

メラビアンの法則によると、聴覚がコミュニケーションに与える影響は言語の5倍以上。声は、わたしたちが思っている以上に影響力があることがわかりました。欧米諸国は声に対して意識が高く、政治家や大統領には専属のボイストレーナーがついているそうですよ。

それに比べて、日本は発声に対する意識が低く学ぶ機会が少ないと言われています。一説では、日本の教員は発声の基礎がないまま1日に4~5時間も大きな声を出し続け、約2割の人が2、3年のうちに喉の調子を崩す経験をしているとのこと。

とはいえ…頭ではわかっていても、うまく声が使えていなかったり、声枯れなどのトラブルが慢性化してしまったりすることもあるかもしれません。そのような場合は、ボイストレーニングなどで声を磨いていくのもひとつの方法です。

mayumi

誰しもが、ちょっとしたコツをつかむことで声がよくなる可能性を持っています(^^)/

参考文献:米山文明(医学博士)「声と歌にもっと自信がつく本」王様文庫