ゴスペル(gospel)の語源はゴッド(god)スペル(spel)。英語で「福音」「よい知らせ」という意味です。昔、黒人が奴隷だった時代に歌われたスピリチュアルから始まり、さまざまな歴史を経て現在の形になりました。今では世界中で愛され、ゴスペルにまつわる素敵な映画もたくさんあります。
今回は、おすすめゴスペル映画を紹介するよ!
おすすめゴスペル映画6選
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個人的に、映画を観る前は「ネタばらし」系を見たくないので、できるだけ細かいストーリーに触れずに紹介します。
①『天使にラブソングを』
出典:Amazon公式サイト
1992年のミュージック・コメディ映画。日本にゴスペルブームを巻き起こしたきっかけともいわれています。
主演のウーピー・ゴールドバーグがよい味を出していて存在感バッチリなのですが、他のキャスト陣も負けずに魅力的。シスターたちが、とにかくいきいきとノリノリで歌う姿は観ていて楽しくなります。
ストーリーもテンポよく、何度観ても元気がでる映画。個人的には、ラストシーンで見習い修道女のメアリーが歌うところが一番好きです。
②『天使にラブソングを2』
出典:Amazon公式サイト
『天使にラブソングを』の続編として1993年に公開されました。
舞台は前作の修道院から、社会奉仕として派遣授業を行っている高校へ移りますが、主演がウーピー・ゴールドバーグで歌を通して周りを導くところは同じ。気持ちよいサクセスストーリーです。
日本のゴスペルにおける定番曲『Oh Happy Day』は、この映画の中で歌われたことをきっかけに、一躍脚光を浴びるようになったといわれていますよ。
若き日のローリンヒルの歌唱もみどころ。他の生徒役の歌唱も素晴らしく、ラストシーンの『Joyful Joyful』はエネルギッシュで聴いているとスカッとします。
③『リスペクト』
出典:ユニバーサルピクチャーズ公式
2021年に公開された、ソウルの女王アレサ・フランクリンの前半生を描いた伝記映画です。
父は教会の牧師で、母はゴスペルシンガー。その才能を受け継ぐアレサは幼少期から教会で歌い、やがてショービジネスの世界へ。しかし、ここまで壮絶な人生だったとは…というのが感想です。
ゴスペルが中心の作品というわけではないのですが、根底にゴスペルを感じる映画。また、60年代のアメリカの時代背景や人権問題について考えさせられ、それが歌につながっていることがよくわかりました。
そして、とにかく作品中の歌のパワーが圧倒的。
主演は「ドリームガールズ」でアカデミー助演女優賞受賞し、歌手としても第51回グラミー賞を受賞したジェニファー・ハドソン。なんでも、アレサが生前から指名していたとか。ゴスペルをルーツに持つのも一緒なんですね。
個人的には、若いころに心動かされた名曲『Natural woman』がさらに心に染みました…。
④『ファイティング・テンプテーションズ』
出典:Amazon公式サイト
2005年に公開されたアメリカのコメディ映画。田舎町の聖歌隊を中心とした、音楽の楽しさが詰まった作品です。
ヒロイン役で、ビヨンセが田舎町のシンガーとして出演しています。ビヨンセの可愛らしい自然な魅力が感じられるのも、この映画のおもしろいところ。個人的には中盤に受刑者の前で『Swing Low Sweet Chariot』をアカペラで歌うシーンが好きです。
時代や演出もあるかもしれませんが、生活の中でリアルな歌があるシーンが多い(しかも、一般の人も歌がうまい^-^;)のも魅力だと思います。
ラストの曲も素敵です。
⑤『天使の贈り物』
出典:DisneyMoviesInternational公式
1996年のファンタジー・ラブロマンス映画。クリスマスシーズンにぴったりの心温まる作品です。
原題は『The Preacher’s Wife』(牧師夫人)。主人公の牧師夫人として、ホイットニー・ヒューストンが出演しています。
2012年に惜しまれつつ亡くなってしまいましたが、ホイットニーもルーツはゴスペル。この映画では、ホイットニー・ヒューストンが美しいゴスペルの歌声を披露しています。
⑥『The GOSPEL』
出典:The Gospel (2005) Official Trailer
2005年のアメリカ映画。現代っぽいカッコいいゴスペルを楽しめる作品です。
音楽監修を担当しているのは、現代ゴスペルのカリスマであるカーク・フランクリン。
カーク・フランクリンは、アメリカで宗教音楽といわれていたゴスペルに、ヒップ・ホップ等の音楽を取り入れて、伝統的なスタイルから洗練されたメジャーな音楽にしたといわれています。
教会やイベントでのパフォーマンスシーンはとてもカッコよくて、観ていると思わず身体が動きだす感じ。本物のゴスペルシンガーも出演しており、迫力あるゴスペルの雰囲気を感じるのにぴったりの映画です。
映画を通して歌のパワーをもらおう
ゴスペルは、もともと神様を賛美したり魂の救済を求めたりするもの。
宗教と深く関わってきた歴史があるので、キリスト教の影響を受けているものが多く、私たち日本人にはややもすると敷居が高い印象もあります。
しかし、今日では宗教の枠を超えて、人種や国籍に関わらず“ゴスペルミュージック”として世界中の人々に歌われるようになりました。
歌や音楽は、歌詞がよくわからなくても、思想が違っても、理屈抜きに心を動かす不思議なパワーがあります。ちょっと元気がほしいとき、映画を通して歌のチカラを感じてみてはいかがでしょうか。
筆者が歌を始めたきっかけは、昔たまたま知り合いに誘われて行ったゴスペル教室。あの時からの「歌いたい!」は今でも継続中…。
本場や映画みたいにいかなくても、あまり頭で考えすぎずに心のままに歌ったらよいと思っています。
「音楽は自由」「自分がどう感じて何を表現したいかが大事なんだよ」とは師匠の教え。
声質やスキル、ジャンルに関係なくハートのある歌が好きです♡