「英語の歌は難しい」「早口に感じるし歌詞をリズムに乗せるのが大変」という声をよく耳にします。私も大人になってから英語の歌を勉強したのでその気持ちがよくわかります。そこで今回は、日本語と英語の持つリズムの特徴を比較して歌うときのコツをお伝えします。
大人になってからの英語の発音は筋トレのようなもの。ナルホド!と思うことから取り入れて効率よく練習するといいと思うよ
日本語のリズムの特徴
日本語は一語一語を同じ強さ、長さで発音で発音する特徴があります。基本的に仮名1文字=1拍・同じ長さというルールです。
例えば、「バナナ」は「バ・ナ・ナ」「おはようございます」は「お・は・よ・う・ご・ざ・い・ま・す」の一つひとつの仮名が均等に発音されます。
3音節ならタタタ、9音節ならタタタタタタタタタのような感じです。
フレーズの中で、重要な単語を強調することはあっても、基本的には、そのいずれかの一語にストレスが置かれて、その他の一語が弱く発音されるということがありません。俳句文化などが成立するのもこの特徴のためといわれています。
英語のリズムの特徴
英語は日本語のように等間隔には発音されません。
強・弱アクセントの組み合わせで成り立ち、強調したい音節にアクセントがおかれ、ストレス音以外の部分は、次のストレス音までひとつながりになめらかに発音され、その際単語や音が強調されることがないのが特徴です。
常にストレス音に重心が置かれるため、一語ずつ音をとらえようとするとリスニングが難しくなります。日本語の感覚で英語の歌詞で歌おうとすると、拍に入りきれないような不自然な感じがしてしまうのも同じ理由です。
逆に、英語圏の人が日本語を話そうとすると「ワターシハ」「コンニーチハ」という感じになります。これは、ストレスリズムのまま日本語に当てはめようとすると、強弱のある英語っぽい日本語になってしまうということ。
このように英語はストレスを重視する特徴があります。
日本語は世界でもめずらしい言語
世界のほとんどの言語は音節単位でリズムをもっており、日本語のように一語一語が均等に発音される言葉はめずらしいそうです。
これは、日本人が他国に比べて英語が不得意だという理由のひとつといわれています。でも逆にいえばリズムを捉えることができれば、英語らしさのコツをつかむことができるかもしれませんね。
一説では、日本は島国なので、鋭い子音で相手を威嚇するような言語音声が発達しにくかったともいわれてるよ。
確かに英語は子音中心の言語だから、破裂音や摩擦音が多く、話し方は強く鋭く早い感じがする。日本語の穏やかで平坦な感じは自己主張より和を大切にしたから発達したのかもね。
【英語のリズム解説】わかりやすかった動画を紹介
ここでは、英語のリズムについて解説しているおすすめ動画を紹介します。
『あいうえおフォニックス』英語発音
引用:『あいうえおフォニックス』英語の音節 英語はどうして早口に聞こえるのか 英語が聞き取れないわけ
「英語って早口で聞き取りにくいって思わない?」
「英語はね~字の数に比べて音は少ないからね」
「どういうこと?」
かわいいキャラクターがゆる〜く、わかりやすく英語の発音のコツを教えてくれる『あいうえおフォニックス』の動画です。
※フォニックスとは発音と文字の関係性を学ぶ音声学習法です。英語圏の子どもたちも読み書きを覚えるために学んでいるそうですよ。
【英語教授法】TESOL国際会議で発表された英語のリズムトレーニング
引用:英語発音専門ドクターDイングリッシュ
具体的でわかりやすい動画だと思いました。
視覚的にも説明してくれているのでリズムの波が理解しやすいです。2分40秒からエクササイズ解説が始まります。
英語が強調したい言葉を中心に発音されているのがよくわかります。
日本語にはない英語のリズムに慣れていこう
英語の発音は均一ではなく、強調したい言葉によってそれぞれの音の長さや強さが変化します。
私たちは、どうしても知っている日本語に当てはめて英語を捉えてしまう性質があるので、本来ないところに勝手に母音を入れてしまったり、一音一音をしっかり発音しすぎて不自然になったりということはよくあります。
英語らしく歌うには、リズムの特徴を頭の片隅におきながら、とにかく聞いてみる、聞えたまんまにまず声に出してみるのがおすすめ。だんだん、気づくことが増えたり、コツがつかめてきたりするといいですね。
発音が間違っていても、リズムがあってればけっこう聞き取りやすいといわれるのも英語の特徴。楽しみながらくり返し練習してみましょう。
筆者もまだまだ練習中…最終的には慣れていくしかないですね!楽しくガンバロウ(^-^;