2022年10月13日に仙台でおこなわれた、ノラ・ジョーンズのライブに行ってきました。2002年にファーストアルバムとして発売された『Come away with me』を聞いたときから、ずっと大好きなノラ・ジョーンズ。今回、初めてライブに行った感想をお伝えします。
ノラのジャパンツアーは当初、20年の予定だったのが、新型ウィルス感染拡大の影響で延期になっていたんだって。だから、ノラ・ジョーンズ自身も今回の来日をすごく楽しみにしているって、Youtubeでメッセージ動画を出してたよ♡
仙台のライブ会場の感想
ライブ会場はゼビオアリーナ仙台。6月にチケットを予約したところ、1階アリーナ22列目でした。当日席に着くと、肉眼でステージ上がぎりぎり捉えられる位置。直接ステージが見えるのが嬉しかったです。
もともとは体育館なのか、座席はパイプ椅子。ちょっと固かったのですが、演奏に夢中になっている間は気になりませんでした。
お客さんの年齢層は高め(自分も含む)。なんとなく似たようなテイストの、落ち着いたファッションの方が多かったように感じました(^-^;
RODRIGO AMARANTE(ロドリゴ・アマランテ)のオープニングアクトの感想
18:30頃、オープニングアクトとしてロドリゴ・アマランテがステージに登場。静かに穏やかにライブがスタート…。
ロドリゴ・アマランテは、ブラジルのミュージシャン。もともとはロックバンドの方のようですが、今回は弾き語りのボサノバスタイルで柔らかな演奏を聴かせてくれました。
優しい声とポルトガル語の響きが心地よくて、自然に演奏に耳が傾くような感じ。ノラ・ジョーンズの登場を心待ちにしつつ、徐々に期待も高まりながら穏やかに過ごせた良い時間でした。
ノラ・ジョーンズ、ライブ本編の感想
19:30頃、ついにノラ・ジョーンズが登場すると会場全体が「待ってました」という雰囲気に。1曲目『Just a little bit』から歌声が会場に溢れ、一気にノラ・ジョーンズの世界に引き込まれました。
ライブを見て改めて感じたのが、声と表現力の素晴らしさ。アルバムで聞くとふわふわとした柔らかさ、スモーキーな独特の声が心地よいノラですが、生で聞くとそれに加えて、輪郭のはっきりとした感じや、力強さもびしびしと伝わってきました。
声の響きも心地よくて、生で聞けて本当によかったです。繊細なのに自由奔放。柔らかいのにパワフル。そして、きっと心から音楽を愛しているんだろうなと感じる演奏でした。
ライブのバンドメンバーは、ノラ・ジョーンズの他に3名。ベース、ドラム、ギター(エレキギターとスティールギター)の編成。ノラは、ピアノ兼ボーカル(曲によってギター兼ボーカル)。バンド演奏も心に染みる素晴らしいものでした。
ジャンルはジャズということですが、サウンド的にはカントリーやポップス色を感じるものも多かったように思います。
特に、スティールギターの音色は懐かしさを感じさせる温かい音色。おしゃれなだけでなく旋律がきれいで親しみやすい感じも、ノラ・ジョーンズの魅力だと思います。
ノラ・ジョーンズライブで印象的だった曲
全曲、心が動かされたのですが、特に心に残った曲をご紹介します。
I’m alive
今回、ノラの歌声が力強く胸に響いてきたのがこの曲でした。
“世の中には、自分が打ちのめされるかと思うようなことや、悲しいことがたくさんあるけれど、それも含めて私たちは生きている。なんとかなることも、ならないこともあるかも知れないけど、大丈夫、きっとよい方にかわっていく”
というような感じのメッセージが込められています。シンプルな歌詞が歌声と共に響く…
Don’t know why
サビ始まりのアレンジで、ゆったりと曲が始まりました。ノラ・ジョーンズの曲の中で最もヒットした『Don`t know why』。筆者も軽く100回は聞いたであろうこの曲を、生で聞けたことにシンプルに感動。
イントロが流れ始めると、独特の浮遊感と心地よさで会場が包まれました。バンドの方たちのコーラスもノラの声を包みこむ感じでホントに自然。アルバム版よりも厚みがある感じで素敵なアレンジでした。音楽っていいな、と感じさせる美しい曲だと改めて思いました。
Nightingale
演奏が終わってから鳴りやまない拍手の後に、ノラ・ジョーンズが現れてアンコールを聞かせてくれました。
そして、ラストはこの曲。焦がれてやまないナイチンゲールに歌ったともいわれるこの歌は、ちょっと寂しくもどこか希望があって、今回のライブの締めくくりにぴったり。私の心にしっとりと入ってきました。
静かな感動のうちにライブは終了したのでした。
自然と気持ちに寄り添ってくれるノラの歌声が好き
約2時間のライブ中「Thank you」「アリガトウ」とメンバー紹介以外、ほとんどおしゃべりしなかったノラ・ジョーンズ。音楽で語る姿勢が素敵でした。
ライブ途中、ギターのシールド(?)がノラに絡まるハプニングもありましたが、会場中に響き渡る本人の笑い声で一気に和やかな雰囲気なるというワンシーンも。そんな飾らない感じもチャーミングでした。
また、印象に残ったのが、後日ネットのニュースで見た公演後のノラ・ジョーンズ一行の様子。仙台公演を終えてから、東北新幹線に乗って東京駅に降りたったジョーンズ一行の姿は、他の外国人観光客と見分けがつかないほど軽装だったとのことです。
ノラは花柄のワンピースにジージャンを羽織っただけといういでたち。普通に、自分でたくさんの荷物を運ぶ姿がクールだと思いました。
ジャズピアニスト・ボーカリストのノラ・ジョーンズ。しかし、その天性の才能をベースに、ジャズだけにこだわらない自由さ、また素晴らしい歌声で、たくさんの人に愛されているのだなと改めて感じたライブでした。
今回筆者は、2年ぶりに出かけられたボーカルライブ。本当にノラ・ジョーンズの歌声を生で聞けてよかったです。心の充電ができました。改めて、歌って音楽って素晴らしい!