声がうまく響かない原因のひとつに、喉が開いていないのに無理やり息を通そうと力んでしまうことが考えられます。声を出す前は、リラックスした状態で喉に空気の通り道ができるように、ストレッチすることがおすすめです。
今回は、喉、首周りのリラックスに効果的なストレッチ方法を紹介するよ!
声が出やすくなるストレッチのポイント
声を出すときには、喉にある声帯を使っています。
喉周辺の筋肉がリラックスしていないと、声帯に負担がかかって声が出にくい原因に。喉に負担をかけないためにも、ストレッチやマッサージでほぐしていきましょう。
意外に重要!肩甲骨
肩甲骨の筋肉は、喉の周辺への影響が大きい筋肉です。肩甲骨周りが固まっていると喉周辺の動きがスムーズにいかなくなります。
凝ったままの状態で、大きい声を出そうとすると、声帯周辺だけで頑張りすぎてしまって、力みの原因に。また、肩甲骨は呼吸とも連動しているので、肩甲骨が緩むと、肺に空気が入りやすくなり呼吸も安定しますよ。
①肩甲骨を引き伸ばす
両手を頭の上で組み、上に引き上げられるようなイメージで伸ばします。そのまま左右にも動かします。
②肩甲骨を寄せる
- 手を体の後ろで組んで伸ばします。その状態で、肩甲骨を左右から内側にゆっくりと寄せましょう
- このときやや上向いて、舌を出すとより喉周辺の筋肉がほぐれます(息を吐きながら、目線を上にするとより効果的)
ちょっと見た目がコワいけど気にしない(笑)
③肩甲骨を回してほぐす
肩に手を当てて、ゆっくり息をしながら回しましょう(肩甲骨の内側を意識、根元をほぐすイメージ)
クロールみたいにゆっくり腕を回してもいいよ
喉周り筋肉のイメージを持つ
引用:歌手ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと
筋肉をほぐしていくには、イメージを持つことも大切。ストレッチやマッサージもやりやすくなりますよ。
上記のイラストで筋肉の流れや位置をイメージしながら、ゆっくり首を回したり、上下にうなずいたりしてストレッチしてみましょう。
首周りの筋肉は流れに沿って、やさしくマッサージするのも効果的です(リンパが流れている繊細な部分でもあるので、グイグイしすぎないのがポイント)
マッサージしながら、首を左右、上下にゆっくり動かすのもおすすめだよ。気持ちいいくらいの加減で。無理はしないでね!
喉周辺の筋肉のストレッチ
- 両手を重ね鎖骨の真ん中から少し下のあたりおきます(背筋は伸ばす)
- 重ねた手のそえた方の手で、下の手を押さえながら下側に引きます(押し下げる感じ)
- 同時にゆっくり上を向いて、喉の周辺を伸ばします(ゆっくり息をして、顎、口はリラックス)
発声はまずはリラックスが大切
身体がリラックスして正しい姿勢でいれば、自然に効率のよい発声と呼吸につながります。ひと口にリラックスといっても、いまいちイメージがわかない方もいるかもしれませんが、やってみながらで大丈夫です。
トレーニングを重ねていくと、リラックスした状態を自覚でき、正しい姿勢を知ることができますよ。回数や時間にあまりこだわらず、自分のペースで継続して取り入れてみてはいかがでしょうか。
筆者はリラックスの状態がわかるまで時間がかかりましたが(^-^;
ストレッチは正しく重ねていると効果が出るのでおもしろいと思います。
発声をよくするための取り組みは、基本的に心身を良い状態にする取り組み。楽しく、継続的に行うと自分自身のよい変化が楽しめますよ♪
参考:メリッサ・マルデ/メリージーン・アレン/クルト=アレクサンダー・ツェラー 監訳:小野ひとみ 訳:若松恵子・森薫 歌手ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと 春秋社 川井弘子 うまく歌える「からだ」の使い方 誠信書房