個人差はありますが、声は思っている以上に繊細なものです。しかし、調子が悪くても無理をして声を出し続けてしまって、なかなか調子が戻らないというのはよくあること。この記事では声がガラガラでお困りの方にむけて、原因と対処法を説明していきますので参考にしてみてくださいね。
喉の調子を治したいけど戻らなくて困ったな
まずは原因を知って、できることからやってみよう~
声がガラガラなる原因
声がかすれてしまう原因について説明します。
声の出しすぎ
喉に力みがある状態でたくさん声を出すと声帯周りが疲れてしまいます。そうすると、声のもとになる声帯が閉じる力が弱くなり声がかすれやすくなります。
声帯は声を出しているとき常に振動し続けていて、その回数は毎秒、数百~数千回。声を出しすぎてしまうと声帯の表面がこすれて傷ついてしまう場合もあります。
他にも、無理やり息を通そうとすることで喉の緊張が強くなり、声帯周辺の筋肉が硬くなることも考えられます。
コンディションの問題
喉の調子は体調に影響されます。風邪や花粉症、アレルギーは声帯の炎症をひき起こす原因に。炎症が起きると声帯が腫れてしまうため、重たくなり声帯が振動しにくくなります。
朝起きたばかりのときも声がガラガラしがちです。これは、喉に通う血管がとても細かく、覚醒するのに時間がかかるためです。
声帯は、血行がよく湿度が保たれているほど振動するので、睡眠不足のときなどや身体が冷えているとき、喉が乾いているときもうまく機能しません。
声の病気
声の病気といわれる声帯疾患にはさまざまなものがあります。一番身近な病気は、前述した風邪やアレルギーのときに声帯が腫れる声帯炎。これは一時的なので急性声帯炎の状態ですが、疲労や煙草などで長引くと慢性声帯炎となります。
他にも…
- 声帯結節…声帯が傷つくのを守るために声帯の表面にタコのようなものができる
- 声帯ポリープ…声帯の内出血によって声帯が膨らむ
- 声帯委縮…加齢などが原因で声帯の筋肉部分が痩せてしまう
- 逆流性食道炎…胃酸の逆流のためにおきる逆流性食道炎
などがあります。
「声がガラガラ」の8つの対処法
自分でできる「声がガラガラ」への対処法を紹介します。
①こまめに水分をとる
声を出すときには、声帯が乾燥しないように注意しましょう。乾燥は喉への負担を高めます。
普段から、喉が乾く前にこまめに水分をとっておくことが大切です。わたしたちが飲んだ水は、体の中で血液や臓器などに優先的に供給されるので、声帯に到達するまでには時間がかかるので気をつけましょう。
②飴やガムで喉を保湿する
飴やガムには、唾液を分泌する働きがあります。継続的に分泌することで声帯周りの乾燥を防ぐ効果があります。
さらに、ガムは噛むと舌や顎が動き、喉周辺のリラックスにつながる効果も。血流もよくなるので声が出しやすくなり、喉の負担が軽くなりますよ。
③声の出しすぎに気をつける
普段から、長い時間声を出しすぎて喉に疲れを感じたら、意識的に休憩をとるようにしましょう。とくに、風邪のときなど喉の調子が悪いときに無理をしてしまうと回復に時間がかかってしまいます。
お酒を飲むときも注意が必要です。お酒を飲むと無意識のうちに大きい声を出しやすくなることがありますよね。そもそも、お酒は喉の粘膜にとって刺激物なので直接的にもよくありません。
④睡眠をしっかりとる
声帯の回復には睡眠が一番。声を出すことは多かれ少なかれ疲労を伴います。疲れがとれないままだと、喉の不調はくり返してしまい慢性化へとつながります。
睡眠不足は、全身の筋肉の緊張を強め血流も悪くするので声自体が出しにくくなります。
⑤ストレスを抱えない
人の身体は、精神によって機能が低下したり活性化したりするようにできています。
気分が上がっているときによく声がでたり、逆に悩みを抱えていると声が出しにくかったりもしますね。声は精神状態に大きく影響を受けてしまいます。
ストレスは万病の原因にもなるので、普段から心の状態のケアにも気をつけましょう。
⑥鼻呼吸をする
口で呼吸するよりも、鼻で呼吸した方が声帯が潤いやすくなります。
口から息を吸うと空気がそのまま喉を通って肺に入りますが、鼻から吸うと空気が鼻腔内を通るので、内部の湿気で湿度が高まるためです。鼻呼吸のときの湿度は90%を超えるといわれています。
⑦身体をやわらかくする
身体をほぐすと血行がよくなり、喉も開きやすくなります。声を出すときは、いきなり大きな声を出すのではなく、ストレッチしてから徐々に調子をあげていくことがおすすめです。
とくに、首周りはストレッチに加えて温めておくと、喉周辺の血流が促進されるので声がでやすくなりますよ。疲労回復力もアップします。
マッサージやお風呂も喉にいいよ
⑧栄養とカロリーをしっかり摂る
声を出すエネルギーは主に食事から摂る栄養分です。摂取した栄養分によって呼吸筋や喉周辺の筋肉が動くため、不足すると声は出しにくくなります。その状態で無理をすれば喉に負担がかかります。
また、ビタミンには粘膜保護・抗炎症作用・疲労回復・免疫力アップの作用があります。バランスよく摂取することで喉のコンディションを整える効果が期待できますよ。
声とうまく付き合っていこう
声は一人ひとりが日々使っていくもの。ガラガラ声が続くと不安になりますよね。でも適切に対処すれば改善できます。まずは無理しないことが大事です。
自分はどれくらいの時間、どのような感じで声を出して大丈夫なのか、どれくらいの休息が必要なのかなど、自分の現状をみながら、必要な対処をしてうまく付き合っていきましょう。
声の不調が続く場合は、耳鼻咽喉科などで一度診てもらうのもひとつです。症状がひどくなる前に対処した方が回復が早くなります。
また、喉に負担がかかる発声法をしていると、喉の不調を繰り返す場合もあります。根本的に自分の声の出し方を見直して、喉に負担をかけにくい発声方法を身に付けるのもおすすめですよ。
参考文献:チョン・ギヨン著「ボーカル力養成講座」yamaha music media AKIRA著「声が若返る簡単!即効!モテ声レッスン 驚くほどツヤとハリのある声になる!」つた書房